修理:複数の警告灯が点灯・点滅(ダイハツ タント)
走行中、加速せず変な音がするようになり、メーターにたくさんランプが点いたとのことで入庫した車両。
早速確認してみると、メーターにはたくさんのランプが点灯しており、エラー表示も出ています。
自動車にはたくさんのコンピュータが搭載されており、それぞれの役割を分担して動作しています。
例えば、エンジン制御用のコンピュータやブレーキ制御用のコンピュータ、アイドリングストップや運転支援装置用のコンピュータなどがあります。
たくさんの警告灯が点灯すると、不安になるかもしれませんが、必ずしも多数の部品が壊れてしまったわけではありません。
CAN通信について
自動車に搭載されているセンサーと電子機器は、CAN通信と呼ばれる仕組みで相互に連携しており、車両の各システムがこの通信網を介して情報を共有しています。
複数のパソコンがインターネットでつながっているのと同じようなイメージですね。
複数の警告灯が同時に点灯する理由
ABS警告灯、ブレーキ警告灯、エンジン警告灯などが点灯している場合、これらのシステムのいずれかに異常がある可能性がありますが、必ずしもすべてのシステムが壊れているわけではありません。
たとえば、ブレーキ担当のコンピュータが異常を検知した場合、運転支援装置を制御しているコンピュータも、衝突の危険性があるときに自動的にブレーキをかけられない可能性があると判断して動作を停止し、警告表示します。
今回のケースは・・・
今回のケースでは、その原因はエンジンでした。
そして、エンジン不調の原因はプラグでした。
プラグが摩耗して、時々上手く火花が飛ばず、エンジン回転にムラが発生したため、コンピュータが検知しました。
他のコンピュータもエンジンのエラーを理由に動作を制限したり、警告を発したりしました。
エンジンが正常に動作しないという情報を、CAN通信を介して複数のコンピュータが共有したということです。
プラグを交換し、故障コードを消去した後にテスト走行し、問題ないことを確認して納車しました。
警告灯が点灯した場合は、きちんと故障診断ができる整備工場で、できるだけ早くチェックしてもらってくださいね。